ヘビロテ躁鬱女
 いつものハッピに前掛けを巻きつける。


どうしよう……。


嫌だけど、私には目的があるわけでもないし、引くしかないのかな……店長の言うことに逆らうのも変だし。


私は半ば諦めていた。


将来の夢も見られぬ人間には、口で言い負かせることも出来ない。


だって、始めから全てを諦めているのだから。


そう思い、更衣室で溜め息を吐いた。


――コンコン。


そんな時にドアがノックされた。けだるい声で返事をする。


「今出ます」


「開けて欲しい。私、愛子……少しだけ話がしたい。ここに入れてくれないかな?」
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