【完】結婚からはじまる恋《2》
「でも、俺もそんな風に愛せるオンナが欲しいです…」



「…お前ならいくらでも居るだろ?優也」




優也は元俳優だし…

芸能界は華やかだから…俺よりも女を食ってるだろ?
と訊きたくなる。
社内でも優也を狙う女性社員は多い。

「まぁ、花の香りに蜜蜂が寄ってくるように女も寄ってくるけど。自分から求めるオンナは居なくて…寂しいです」




「優也さん…モテるんですね」



「…深幸…俺以外の男を褒めるな」



「私は別に…」




「俺も女を狂うくらい愛してみたいです…社長」



「…もう…時間だ…表に車を回せ…優也」



「わかりました。後片付けはお願いします…奥様…」
優也はトーストを右手に持って、腰を上げる。


「いってらしゃい。優也さん」


深幸は何度言い聞かせても…他の男にも同等の愛想を振りまく。
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