【完】結婚からはじまる恋《2》
「…仮にここで何かあったと想定して、君が俺を告訴しても…敗訴するよ。マンションに来いと誘ったのは深幸ちゃんだから」



「私は唯…他の人に話を訊かれたくないから」



「…俺をこの部屋に入れた時点で…君は過ちを犯してる…」



「・・・」




帝さんは一瞬だけ…私の身体に自分の身体の重みを預けた。



私の瞳に涙が薄らと浮かぶ。



「冗談だ…」



帝さんは身体を起こして、乱れた前髪を整えて眼鏡を外した。



横顔に栗原さんの面影を見る。


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