【完】結婚からはじまる恋《2》
* * *


俺は早々に帰宅した。


「お帰りなさい…頼」



「ああ…それより、メールした通り…俺は週末…出張でタイに飛ぶ…」



「そうですか・・・では、出張の準備をしないと」


「そーだな」



深幸は俺が出張に行くのに全然、寂しい素振りを見せなかった。


浮気相手と会えると内心、喜んでるのか?


疑いたくないが、証拠の写真がある以上。


疑いは心から拭えない。



俺はネクタイを外しながら、奥の寝室に向かう。


深幸は鼻唄を歌いながら、俺の後ろをついて来た。



鼻唄まで歌いやがって…


「おいっ!?俺のタイ行きはそんなに嬉しいのか?」



「えっ!?いえ…今夜の唐揚げが上手に出来たから…私…揚げ物は苦手でなんです」

< 122 / 213 >

この作品をシェア

pagetop