【完】結婚からはじまる恋《2》
頼は軽くため息を吐く。


「ゴメンなさい・・・私…」


私はこれから仕事に行く頼を困らせたと思って慌てて、涙を手の甲で拭って謝った。



「…お前はすぐに謝る…深幸お前の悪いクセだ…」



「だって…頼がため息つくから…私…困らせてるでしょ?」



「…困ってなんかない…お前のその潤んだ瞳を見てると…お前を一人にしておけないと思って…どうしようと言う…躊躇いのため息だ」



頼は私の腰を抱き寄せて、目の下にそっと唇を寄せる。



そして、軽く鼻の頭にキスして
今度は唇にキスを落とした…

頼の舌が口内を激しくかき回して、私の舌を絡め取る。

「ん…ふぁ」



言葉未満の私の声が玄関先に響く。


頼はキスの後…今度は盛大にため息をついた。



「お前…俺を本当に仕事に行かせたくないらしいな…」



「別に私は…」


頼の胸ポケットに入ったスマホがブーブーと振動する。


「優也だ…たくっ…俺だってずっとお前といたいんだ…でも、仕事は仕事だ…ともかく行ってくる」


頼は慌てて出ていった。


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