【完】結婚からはじまる恋《2》
私は言われるままに…ソファに座った。



「これが書類です…私に全てを委任する委任状です。奥様はここにサインして下さればいいだけ。簡単でしょ?」




「…でも、あれは全て…架空の話で…本当は貴方の株式投資に…」



「希望の額を教えて下されば…株で儲けた暁には奥様にもお分けしますよ」



「…そのお金は…先代の社長の財産です!!」



「…ここに来て…往生際が悪いですよ…」



大江弁護士はそばに居たスキンヘッドの男に目で合図する。



上着のポケットから出てきたのは黒光りする物体。



拳銃だった・・・



刑事ドラマでしか見たコトのない本物の拳銃が目の前に現れる。



「発砲しても…サイレンサー付きだから音は聞こえない…簡単に高井田を殺せますよ…奥様」



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