【完】結婚からはじまる恋《2》
帝さんが手錠の拘束を解き、口許に押し込まれたハンカチを外した。



「逃げるぞっ!!」



帝さんが私の右手を掴んだ。


「待てっ!!」



私たちを二人の男性が追ってくる。



帝さんはしっかりと私の手を握り、オフィスを出た。



そして、階段を駆け下りていく。



男性たちに追いつかれながらも、帝さんが盾となって私を先に逃がしてくれた。



階段の踊り場で繰り広げられる乱闘。



他の階で働く会社員たちが何の騒ぎかとヤジ馬となって大勢押しかけて来た。
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