【完】結婚からはじまる恋《2》
「…あの…」



恋華さんは視線を泳がし、誰かを探していた。



「…秘書の方は?」



「秘書?あぁ…優也か・・・優也は仕事があると言って…会社に戻った」



「そう」




恋華さんの表情が急に曇ったように見えた。




「恋華ちゃん…準備できた?」


スタッフの人が恋華さんを呼びに控室に入ってきた。




「できてまーす」


恋華さんは愛想よく返して、椅子から立ち上がった。



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