萬処御伽屋覚書〜着物男子と残念女子のゆるゆる繁盛記〜
ふと空を見上げると曇天。
梅雨入り前のこの時期、夕方に陰るとまだ風は肌寒い。
けれど同情するように陰る空に、私はどこかホッとした。
−−その矢先の、雨。
同情しすぎだよ、天気。
確かに夕方にわか雨があるかもしれないとは天気予報で言ってたけども!
私は鞄の中の折りたたみ傘を手探りで探した。
封筒とスーパーの袋が持ち手に引っ掛かって腕が動かしにくい。
その間にも雨足は強さを増していく。
中々見つからない傘。
思い出した。
私、昨日気分転換にと思って鞄をいつもと違うものに変えた。
そして天気のことなんてすっかり忘れて、折りたたみ傘を一番不要なものとして置いてきたことも!
「最悪っ!」
思わず言葉がもれた。
容赦なく増していく雨足。
このままでいるわけにもいかず、私はふと目に留まった店の軒下に逃げ込んだ。
その時にはもう、頭の上から足先まで、服の色が変わるほどに濡れていた。
これにわかじゃないよ!
土砂降りだよ!!
何の気休めにもならないような小さなハンドタオルで、髪から滴る水滴を拭いながら、私は心の中で天気にツッコミをいれていた。
梅雨入り前のこの時期、夕方に陰るとまだ風は肌寒い。
けれど同情するように陰る空に、私はどこかホッとした。
−−その矢先の、雨。
同情しすぎだよ、天気。
確かに夕方にわか雨があるかもしれないとは天気予報で言ってたけども!
私は鞄の中の折りたたみ傘を手探りで探した。
封筒とスーパーの袋が持ち手に引っ掛かって腕が動かしにくい。
その間にも雨足は強さを増していく。
中々見つからない傘。
思い出した。
私、昨日気分転換にと思って鞄をいつもと違うものに変えた。
そして天気のことなんてすっかり忘れて、折りたたみ傘を一番不要なものとして置いてきたことも!
「最悪っ!」
思わず言葉がもれた。
容赦なく増していく雨足。
このままでいるわけにもいかず、私はふと目に留まった店の軒下に逃げ込んだ。
その時にはもう、頭の上から足先まで、服の色が変わるほどに濡れていた。
これにわかじゃないよ!
土砂降りだよ!!
何の気休めにもならないような小さなハンドタオルで、髪から滴る水滴を拭いながら、私は心の中で天気にツッコミをいれていた。