萬処御伽屋覚書〜着物男子と残念女子のゆるゆる繁盛記〜
一向に雨が止む気配はなく、私は完全に足止めを食らってしまった。


空を見上げながら小さく溜め息をついた。


何で、いつもこうなんだろう。


間が悪くて

空回りばっかりで

努力が実ることなんて、ほとんどない。


こういう星廻りなんだろうと、いつも言い聞かせて
それでも、毎日怪我なく健康に生きていられるだけでも幸せなことなんだって必死に前を向いた。


だけどたまに、
どうしようもなく、それがしんどくなる時がある。


気が付いたら私は泣いていた。


片手にスーパーの袋を提げて、全身ずぶ濡れで、
年甲斐もなくしゃがみ込んで泣いた。


さすがに今回のはキツイ。


私の前を何人か通り過ぎていくのに気付いていたけど、もう、そんなことは気にならなかった。


堪えていた分、涙はとめどなかった。


このまま、涙と一緒に自分自身も流れて消えてしまえばいいと思った。
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