天国へ旅立つその前に・・・
こうして母とボクは父親の元から夜逃げをした。

その後、ボクの両親は離婚をした・・・。


そして、母とボクは二人で一度おばあちゃんの住む実家である、都営団地に帰って事情を説明した……。


その後、ボクは母と二人で実家とは別の都営団地に住むことになった……。


『実家に住めばいいのでは ?』


と、思われるかもしれないが実家にはすでに母の兄が二人、おばあちゃんと一緒に暮らしていたため空いている部屋がなかった・・・。


母は四人兄弟の末っ子で、姉が一人に兄が二人存在していた。


その中で結婚をして実家から自立しているのは母の姉だけだった…。


母の兄二人は、実家で働きながら生活をしていた。


なので、ボクと母親は実家とは別の都営団地で暮らすことになった。


母の仕事や家事の頑張りのおかげで、ボクは幼稚園に通うことができた。


幼稚園での記憶はほとんどないが、上手くまわりの子供達とも馴染めていたようだ…。


幼稚園から自宅への毎日の送り迎えも、全て母がこなしてくれた。


アトピーの症状も母の頑張りのおかげで次第に回復していったそうだ……。


しかし熱性痙攣の病状は重く、一週間の内に三回は救急車で病院に運ばれていたらしい・・・。


『ボクはその時の記憶が全くない』


熱性痙攣で記憶を失ってしまうことは、特に珍しいことではないようだ……。


熱性痙攣の症状とは、なんらかの理由で発熱をすると40℃以上の高熱がでてしまい、呼吸ができなくなって白目を向き身体中が無意識のうちにバタついてしまうものだった・・・。


ぜんそくの病状もあまり回復はせず、何時間もせきがとまらないことが度々あった………。


ぜんそくの時は非常に苦しく、呼吸困難な状況だった・・・。


そのことは今でもボクは覚えている…。
< 2 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop