【完】春紫苑
「え?」
私は左腕の痣のことがバレないように、ここ何日か過ごしてきた。
制服もまだ長袖だから隠せてきたはず。
……それなのに、将光は知ってるの?
「俺が話したから」
「何で?私はわざわざ隠してきたのに…。バレたら将光、何をしだすか分からないから……。
だから言わなかったのに……っっ!
………………え?」
もしかして、将光が荒れだしたのはこれが原因なの?
「大丈夫、将ちゃんが荒れてる原因はそれだけじゃないから」
私の考えを見透かした言葉に思わず返事に困る。
「それに、バレないわけないじゃん。将ちゃんも保健室に来たじゃん。いくら、すぐ居なくなって手当ての時にいなかったって言っても、保健室だよ?不審がられるに決まってるじゃん」
「保健室だからって………怪我だけじゃないじゃん!頭痛とか、泣いたから目を冷やしに氷を取りに来たとか……」
「あの怪我は、将ちゃんが原因って言っても大袈裟じゃない。
それに将ちゃんは美琴の彼氏だろ?嘘ついてどうするんだよ」