【完】春紫苑





「バ、バカじゃないの。ほんとバカ!マママ、マジ意味わかんない」






うっ……どんだけ噛みまくってるのよ私。


暗いお陰で顔が赤いのがバレずにすむはずだったのに、これじゃアウトだ。






「ハハッ…美琴、可愛い」






ドキン…。何だか胸の奥がくすぐったい。



数秒前まで灯りがなくて良かったって思ってたのに。



今は、どうしてないの?って思ってしまう。




将光は優しい笑顔を浮かべてる。


それは、暗闇でも分かるくらいに。


もっと、しっかり見たい。


しっかりとこの瞳に焼き付けたい。



…私の大好きなこの笑顔を。







「将光のバーカッッ!!」



「は、誉めたのに意味わかんねーよ!」









< 145 / 474 >

この作品をシェア

pagetop