【完】春紫苑
「バ、バカじゃないの。ほんとバカ!マママ、マジ意味わかんない」
うっ……どんだけ噛みまくってるのよ私。
暗いお陰で顔が赤いのがバレずにすむはずだったのに、これじゃアウトだ。
「ハハッ…美琴、可愛い」
ドキン…。何だか胸の奥がくすぐったい。
数秒前まで灯りがなくて良かったって思ってたのに。
今は、どうしてないの?って思ってしまう。
将光は優しい笑顔を浮かべてる。
それは、暗闇でも分かるくらいに。
もっと、しっかり見たい。
しっかりとこの瞳に焼き付けたい。
…私の大好きなこの笑顔を。
「将光のバーカッッ!!」
「は、誉めたのに意味わかんねーよ!」