【完】春紫苑
「やっぱ大きいよな~、美琴の家」
「将光、それ毎日言ってるから」
「だって、毎日見ても大きいんだもん」
「大きさ変わらないのに?」
「大きさ変わるって、バカかよ美琴」
ふわって笑った将光。
バカにされたって分かってるのに。
怒らなきゃって思ってるのに。
「絶対バカだ」ってまだ楽しそうに笑う将光を見てたら、そんなことどうでも良くなってしまう。
ただ、この笑顔を見てなきゃ。
そう思ってた。
何故か分からないけど、見てなきゃ、後悔するような気がした。
「じゃあな、美琴。また明日」
「うん、明日ね」