【完】春紫苑
「将光っっ!!!」
貴方の名前を必死で呼んだ。
あの時のことが今でも頭から離れない。
「美琴、走れっ!ぜってー振り返るんじゃねーぞっ!!」
怒ってる顔なんて見飽きてたのに。
あの時の貴方の顔ははっきりと覚えてる。
それは今でも私を苦しめ、責め続ける。
"どうして"
"何であの時"
何度後悔しても無駄なのは知ってる。
そんなの、とっくの昔に気付いてる。
でも私は気付けばまた、振り返ろうとしてる。
あの頃の日々をー………。