【完】春紫苑
私の親のせいで…将光が。
「美琴、俺は大丈夫だから」
気付いたら将光は私の目の前にいて、いつもみたいに優しく笑った。
止めてよ。
そんな悲しそうに笑わないでよ。
そんな震えた声で強がらないでよ。
「でも、将光は何も悪くないじゃない!」
こんなの、悔しいじゃない。
悲しいじゃない。
………………辛すぎるじゃない。
「大丈夫だから、ほんとに大丈夫だから……」
お願いだから、そんな悲しいこと言わないでよ。
「大丈夫」
まるでそれしか知らないみたいに、その言葉を私に言い続ける将光。