【完】春紫苑





「良いか、おめーら!!」





殴る手を止め、立ち尽くすクラスメートを見回しながら将光が叫んだ。





「美琴を傷付けるやつは男でも女でも容赦しねーっ!!なんせ………殺人犯の息子なんだからな」






その自虐的な叫びに、皆コクコクと首を縦に振るしかなかった。





"殺される"

一斉に誰もの頭にこの言葉が浮かんだからだろう。




それほどまでに将光の言葉は、将光の瞳は、本気だった。




ねえ、将光。痛いよね、辛いよね、こんなの悲しすぎるよ…。







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