【完】春紫苑




家を出て、どこに向かうわけでもなく歩き続ける私。


夕日なんてとっくに沈んでて、辺りは真っ暗だった。




闇一色。


お母様は心配しているだろうか………。

でも、帰る気にはならなかった。


帰りたくなかった。



でも、夜は寒い。


今日から6月とはいえ、夜はやっぱり冷え込む。


体はすっかり冷たくなっていた。




温かい飲み物がほしかったけど、残念なことに私は手ぶら。


……………どうしよう。










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