【完】春紫苑
「ごめんな、美琴。昨日は突然帰っちまって。あのあと、大丈夫だったか?」
「うーん…大丈夫だったって言ったら嘘になるかな?」
自分の席につき、座りながら聞いてくる将光に私は曖昧な返事をした。
あのあと私は車を降りたのは良いけど、ふらふら歩き回っただけで結局そのまま家に帰った。
ほんと何がしたかったのかと自分がバカらしくなった。
「大丈夫じゃなかったって……?」
「あ、えっとー………」
昨日のはなし、将光にするべきなのだろうか?
でも将光に余計な心配をかけたくないというのが本音だ。