【完】春紫苑







「何で、出てくれないのよ…」






走ってきた道を戻りながら、将光に電話を掛ける。


だけど、何度かけても留守番になってしまう。



流が、変なこと言うから不安になるじゃない。


電話にでないことが、どうしようもなく、不安になるじゃない。




頭に浮かぶ、嫌な予感を必死に振り払って、私は走る。






──何だろう。


視線の先に人だかりが出来ていた。














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