【完】春紫苑





思わずそらそうとした目を、そらせなかったのは





「………っ」





赤い海に、見つけたから。


茶色い液体の入ったカップを。



時間がたって、溶けてしまったチョコアイスが入ったカップが。







「………ぃ…や」






その近くに見えた腕。


着ているジャケットは、何度目を擦っても、私が着ているのと同じで。





「お嬢ちゃん、この男の子の知り合いかいっ!?」





前にいたサラリーマンが振り返るとに見えた。











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