【完】春紫苑




「落ち着けって」



「無理に決まってるでしょっ!?ま、将光が…ああ………将光が、将光がぁぁぁぁ!!」



「美琴っ」



「うるさい、うるさいっ!触れないで!やめて!私に残る将光が、消えちゃう!」





病院内に響く悲鳴にも似た私の声。


騒ぎを聞き付けた看護師さんが何人か来たけど、かける言葉が見つからずに立ち尽くしている。



将光がいないと、嫌。


耐えられない。


将光、将光。



将光、将光、将光、将光。














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