【完】春紫苑





戻れるなら、戻りたい。


無邪気だった、あの頃に。





だけど、辿る運命が変わらないなら


戻りたくはない。






出来ることなら、違う運命を

将光と共に生きたかった。



こんなはずじゃ…


なかったのに。






でも、今更どんなに嘆いたって


現実は変わらない。




私は立ち止まってる場合じゃないんだ。






早く、将光のところに戻らなきゃ。





「よし……」




私は靴を脱ぎ、部屋へと上がった。








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