【完】春紫苑
───この花言葉は忘れたとは言わせねーよ?
「花、言葉…?」
慌てて立ち上がり、まだ止まらない涙を必死で拭う。
だけど、無駄だった。
立ち上がったのも涙を拭ったのも。
「バカァ……」
せっかく拭ったのにまた涙で前が見えなくなる。
足が、震える。
─────春紫苑。
机の上に開かれた図鑑には確かに春紫苑があった。
─追想の愛─
無理に決まってるじゃない。
将光を過去にするなんて。
だって、貴方はまだ
「ちゃんと…生きてるじゃない」