【完】春紫苑




【流 Side】





「ねぇ、駿。こーんな最低なやつ美琴が好きになると思う?」




精一杯笑顔を作って、出来るだけ嫌みっぽく俺は駿に問いかけた。




「んー、どうだろう?それは試してみなきゃ分かんないじゃん」




ドア付近に立ち、駿は笑ってそう言った。




「えー、俺は絶対にないと思うよ?」





美琴が駿を好きになる?

そんなことあり得るわけないじゃん。




どんなことがあっても美琴が将ちゃんを好きなのは駿だって分かってるでしょ?


出逢ったときにはもう美琴は将ちゃん以外なんて男として見えてなかったんだから。





───悔しいくらいに。




最初から俺らが入る隙なんて全く無かったじゃないか。

















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