【完】春紫苑
将ちゃんのお父さんが五年前、殺人で捕まったのも、殺したのがお母さんだってことは知ってる。
あれだけ連日報道されたんだから。
そして父親は罪を認め、今も服役中だってことも俺たちだって知ってる。
そんなことがあっても美琴は将ちゃんが好きで居続けられたんだよ?
美琴がとてつもなく家を嫌うのは、恐らく将ちゃんとのことを反対されてるからだろう。
もしかしたら、それ以上のことがあるのかもしれないけど。
そんなに愛されてる将ちゃんとに、どんだけ頑張ったって敵わないでしょ。
無理でしょ。
「流だって、奪いたいくせに」
はは、痛いとこついてくるな。
さすが万年学年三位。
廊下に貼り出される名前が学年一位の美琴と並びたくて頑張ってたもんね。
まあ、二位はずっと将ちゃんだったけど。