【完】春紫苑
「だって将ちゃんがお供えの花は春紫苑じゃなきゃダメだとかワケわかんないこと言うんだもん!」
「春紫苑……お供えに?え、あんな花を…?」
何だか可笑しくて笑いそうになったら
「あ、ふざけんなよ美琴っ!ったく流もつべこべ言わずさっさと摘め!」
将光に怒られてしまった。
───そう。
将光は生きてる。
あの時はほんとに生死をさ迷っていたけど、あの日を乗り越えたら順調に回復して今ではすっかり元通り。
流に対する毒舌も相変わらずです。
「第一、あんな花とか言うなよ!」
「はいはい、悪かったから。さっさと摘んでくれない?」