【完】春紫苑
風の音しか聞こえてこない。
「ねぇ……駿?屋上ってこんなに静かだったっけ?」
「んー…授業中ってのもあると思うけど、俺と美琴しかいないかなじゃない?うるさい将光と流がいないから静かなんだよ、きっと」
「そっか……」
そう言われると、そうだね。
屋上にいるときは絶対に四人でいるもんね。
騒ぐ流に、それを黙らせようと騒ぐ将光。
私たちはそれを呆れながらも笑いながら見てる。
その時だけは平和で、
ずっとこんな風だったら。
教室でもこんな風だったら。
クラスメートともこんな風だったら。
…きっと、楽しいんだろうな。
なーんて。
そんな日、一生来ないんだろうけどね。