【完】春紫苑
「お前なに、まだ学校に来てんの?」
教室に響く冷たい声。
奇妙なほど静まり返った教室。
朝休みにも関わらず挨拶や話し声などは一切しない。
教室の後ろで眼鏡をかけた、いかにも気の弱そうな男を三人の男達が囲んでいる。
「ねぇねぇ、生きてて楽しいの?」
去年の4月に二年生になってから、毎日見ているこの光景。
ターゲットは違えど、もう一年以上見てることになる。
5月もあと何日かで終わる。
「消えたいなら、手伝ってあげるよ?」
一体、いつまでこの光景を見なければならないのだろうか。