【完】春紫苑




「ねぇ、将光?」





私は将光の前に立った。



それでも将光は私の方を見ようとはしない。



将光は城野さんに怒っていたから、将光の目の前に立った私は、必然的に後ろに城野さんがいることになる。


こっちを見ない将光を見つめながらも、後ろに城野さんがいることが気になって仕方がない。



それはきっと、

さっきからずっと視線を感じているという理由もあるんだろう。







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