【完】春紫苑




そう、

私の左腕は誰かに掴まれた。






「……え?」







グッ……






「うっ………」







凄い力。その尋常じゃない力に顔が歪む。


一体……誰?


流?と思ったけど、位置的に流が掴むとしたら右手。




……………ということは。


残された人物は一人しかいない。




でも、嘘でしょ?

私を掴む力はあまりにも強すぎる。

到底、女だとは思えない。


しかもあんなに小さくて華奢な体のどこにそんな力が…?






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