【完】春紫苑







「………城野さん」






彼女の名前を呟き、恐る恐る彼女の方を向いてみた。






「………っ!!!」






見るんじゃなかった。


見るんじゃなかった、見るんじゃなかった。


私の視線の先にいた城野さんはあまりにも笑顔で。



でも、それは笑顔と呼んで良いのか分からないほど不気味で。






「おいっお前、美琴から離れろ!」







私と同じことを感じたのかな?


流が慌てて、城野さんに私から離れるように言う。






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