【完】春紫苑
教室にいるほとんどの人間の見つめる先は窓の外や廊下の外。
後ろで起きてる光景に目を向けるものなんて一人もいない。
みんな、下手に動いて自分がターゲットになるのが怖いから。
私も出来るだけ目をそらそうとするが、私の席は一番窓側の後ろから二番目。
残念なことに眼鏡くんと三人の男達は私のすぐ後ろにいる。
窓の外を見ていたって嫌でもガラスに彼らが見える。
「ふふふ、なになに泣いちゃうの?」
泣きそうな眼鏡くんを笑顔で見つめる三人。
……狂ってる。
彼らもだけど、すでにこの状況を何とも思わなくなった私たちも。
ガンッ