【完】春紫苑
「酷い、梶塚くん!!痛いじゃない!!!!!」
立ち上がった城野さんが狂ったように叫んだ。
「酷いって……こっちの台詞だろーがっ!!」
珍しく流が声を荒らげる。
「流、今は将光を追いかけよ?ねっ?そうしようよ」
このままじゃ駄目だ。
冷静じゃないと城野さん相手は危険な気がする。
私はそう思って流へ、そう言った。
あの力、普通じゃない。
掴まれた左腕に、そっと触れてみる。
「痛っ…………」
まだ、掴まれてるんじゃないかっていうくらいズキズキと痛む。
制服を捲ってみると………。
「……なによ…これ…」