【完】春紫苑
私の左腕には、はっきりと手形が残っていたのだ。
「…美琴っ!?」
私の声に流が気付いたのだろう。
流は私を見たかと思うと、腕を見て顔色を変えた。
「大丈夫なのかっ!?」
「分かんないけど…すごく痛い」
「っち…手当ても必要だろうし、仕方がない。てめぇ…覚えとけよ?」
流は城野さんを再び睨むと冷たくそう告げた。
「美琴、保健室行くぞ」
「…え…あ…うん」
いつもと雰囲気が違うせいか、私はそれしか言えなくて。
教室を出ていく流の、少し後ろを歩き出した。