【完】春紫苑
「腕のアザ、ほんとに大丈夫なの?」
教室を出た私たちはとりあえず保健室へ向かっている。
さっきから流はずっと同じことばかり言っている。
これで四回目。
うるさいから早く保健室に着いて欲しい。
今、私の少し前を歩く流は、いつもの流で。
さっきまでの流が嘘みたいに可愛く私を心配してくる。
流って二重人格?
この変わりぶりは、この可能性を疑わずにはいられない。
「みこ………」
「うるさい、大丈夫、だから黙れ」