【完】春紫苑
第二章 動きのない転校生
ねぇ、将光?
もう既にこの時には、私たちの運命は狂いだしてたんだね。
どうしようもなくて、もう止められないほどに。
どうして、気付かなかったのかな?
いや、………違う。
どうして私は気付けなかったのかな?
どうして将光は何も言ってはくれなかったの?
将光の言うことなら信じられたんだよー………?
それが、どんなに信じがたく悲惨な現実でも……。
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何も動きがない。
良いことなのかもしれない。
だけどそれは、あまりにも不気味で…。
将光はただ、荒れていた。