【完】春紫苑
「いい加減にしろよ、将ちゃん」
将光の声だけが聞こえてた廊下に流の声が響く。
「あ?何だよ、流」
「いい加減にしろって言ってんの!将ちゃんの気持ちは分かるよ?でも…」
「は?」
流を見ていた将光の顔が更に険しいものへと変化する。
「俺の気持ちが分かる?ふざけんじゃねーよ」
城野さんから離れて、一歩一歩、流に近づく将光。
沢山の人だかりは、将光に道をあけるためぞろぞろと移動し始めた。
「お前なんかに分かるわけねーだろ」