暗闇の鎌【読みきり短編集】
――キャアアアアアア!!!! あの人、電車に飛び込んだわよ!


――本当だ! 電車を止めろー!!!!


グシャッ。グシャリ。ボキッ、ボキボキボキッ。


骨が折れ、熱い血が外に溢れ出す。

それは大好きな電車とまじわれる儀式のようなものだ。


「貴方、ねえ、周りがうるさいようだけど、どうしたの? ねぇ貴方!!!!」


君には届かない、かぁ……俺の声。


大好きな鉄道、大好きな君――。
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