暗闇の鎌【読みきり短編集】
――いつつ……コロス……タカユキ……
「なぜ……俺の名前を知っている?」
――いつつ……コロス……タカユキ……ミテル
物体は核分裂のように五つに増え、その眼には憎悪を宿していた。
今にも飛び掛りそうな熱い念がこちらに伝わる。だが裏腹に空気は重苦しく、部屋は冷たくなった。
踏み込んじゃいけないと全身が警戒しているのに名前を呼ばれた今、進まずにはいられなかった。
「お前誰だ?」
――アナタハイツモミテイタ……コウヤッテネ……コロス! コロス! コロス! ゼッタイニコロス!!!!
「なぜ……俺の名前を知っている?」
――いつつ……コロス……タカユキ……ミテル
物体は核分裂のように五つに増え、その眼には憎悪を宿していた。
今にも飛び掛りそうな熱い念がこちらに伝わる。だが裏腹に空気は重苦しく、部屋は冷たくなった。
踏み込んじゃいけないと全身が警戒しているのに名前を呼ばれた今、進まずにはいられなかった。
「お前誰だ?」
――アナタハイツモミテイタ……コウヤッテネ……コロス! コロス! コロス! ゼッタイニコロス!!!!