暗闇の鎌【読みきり短編集】
しゃがれた低音に振り返ると、白いシーツを纏ったテーブルの向こうに、老人がちょこんと座っていた。
――なんでさっきは気付かなかったんだろう? 辺りが暗いからかなぁ……。
茶色の着物、テーブルの上には手元を照らす小さな暖色のランプ。ああ、良く見るとシーツには手相と書いてある。
「もしかして……オジイサンは占い師ですか?」
「さよう。その怒りを占いで静めてはどうじゃ? なんでも見て差し上げよう。
……おや? 仕事だけじゃなく恋愛事もお困りのようじゃな」
そう。確かに占い師の言う通り、しつこく付き纏われている彼氏がいた。
――なんでさっきは気付かなかったんだろう? 辺りが暗いからかなぁ……。
茶色の着物、テーブルの上には手元を照らす小さな暖色のランプ。ああ、良く見るとシーツには手相と書いてある。
「もしかして……オジイサンは占い師ですか?」
「さよう。その怒りを占いで静めてはどうじゃ? なんでも見て差し上げよう。
……おや? 仕事だけじゃなく恋愛事もお困りのようじゃな」
そう。確かに占い師の言う通り、しつこく付き纏われている彼氏がいた。