暗闇の鎌【読みきり短編集】
「黙ってなさい! 

ほら、手が動くから小さな線が見えないじゃないか! そうだ、こうすればいい。これは客の手が落ち着かないときに使う物じゃ」


オジイサンは椅子の横にある鞄から、銀色に光る手錠を引っ張り出し、私の手首に素早く取り付けた。肌に触れる金属はヒンヤリと冷たかった。


「こ、これは? なんですか!」


「動かないためにじゃ。鑑定したらすぐに外す。喚くな、少し静かにしておくれ……

ははぁーん。ほら見てみなさい。君の感情線は異常に短い。

気が短く、人の気持ちが全く分からない性格の持ち主だ。これはいかん。即、直さなくては……」


「お、オジイサン……な、直すってそんな事が出来るのですか! え、そ、それは、や、やめて!!!!」
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