暗闇の鎌【読みきり短編集】
「なんだ、その言葉使いは! 短気が全然直っておらん! 私としたことが失敗だったのか? まだまだ足りんようだ」


「ぎゃああああ!!!!」


真っ直ぐに突き刺さるメス。引いては上げ、引いては上げ、何度も何度も刺し貫かれた。


そのたびに対面に座っているオジイサンと私の顔には、生温い赤い雫がこびり付いた。


「……はぁはぁはぁ……もう止めてくださいお願いです。性格を直しますから……」


「恋愛運改善! ほらこれを見てみろ! 結婚線がないのじゃ! これはいかん! 玉の輿に乗れるようにしてやるぞい」


オジイサンは小指を引っ張り、手の平を縦にさせ、根元の側面をジロジロと見ている。


――逃げなきゃ、どうすれば……
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