暗闇の鎌【読みきり短編集】
 ダンボールを蓋しているガムテープをピリリっと剥がしては、六畳間で一人愚痴った。


辺りには穴が開いた古着のジーパンや、いつ買ったのか覚えてないシャツなどがちらばっている。


「洋服たちはそこの押入れにいれてっと……ふぅ、少し疲れたなぁ」


――ガラガラ、コローン。


「え?」


聞き慣れない音が、ふと鼓膜に届いた。キョロキョロと周りを見渡したが、音の在りかは分らなかった。
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