暗闇の鎌【読みきり短編集】
 明日から初出勤の俺は、眠たさも手伝って、そばにあったビールの空き缶を天井に思わず投げつけた。


――ガンッ!


空き缶は勢い良くぶつかり、跳ね返った。


――ガラガラガラ……


先ほどより少しだけ音が弱まった気もする。立ち上がり、天井に鼓膜を集中させた。


ガラガラガラという繰り返し聞こえる音の中に、微かなメロディーのようなモノが混ざっているのに気付いた。


「……聞き覚えのある音色だな」
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