とある愛世Ⅲ
ぐるぐるぐる。
思考がとどまることなく脳内をめぐる。

いや、いや、いや。
そんなの、いや。
受け入れられない現実が、涙となって溢れる。


「嫌だよ。終わりになんて、したくない。」

「もう無理だって。あんたとはもう、一緒にはいられない。」


今まで、散々一緒にいたじゃない。
昔は彼女だっていたくせに、わたしと一緒にいた。それなのにどうして今回は、一緒にいられないの?
それに。


「……しばらくは誰とも付き合わないって、好きな人なんか作らないって、言ったじゃない。」


だからわたしは待つと決めた。ずっと気持ちに向き合ってもらえるのを待っていたというのに。誰よりも1番、傍にいたのに。


「そうだね。でもごめん。好きになっちゃったものはしかたないでしょ。」


めんどくさそうに、なげやりな感じに言い放たれる言葉が胸に突き刺さる。隣に寝ている彼の視線がもはやわたしに向けられてもいなくて、悔しさにぎりっと奥歯を噛み締めた。
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