無力な僕らの世界と終わり

遅れましたが








――……



――――――……





そう、あたしが瑠樹亜と初めて会ったのは、高校の入学式。


一年の時は、隣のクラスだった瑠樹亜。
中学からの親友だったのんは、瑠樹亜と同じクラスで。

入学式の帰り、のんを誘いに言った時に瑠樹亜を初めて見付けた。


一番前の席で。
透き通るような髪の毛。
肌も白くて。

キレイな男の子だと思った。

なんか、儚げで。
大人しそうで。
無口そうで。
優しそうで。

けど、違った。



「邪魔なんだけど」


教室のドアの近くに立っていたあたしに、するどい一瞥をくれ。
颯爽と去って行った、その、美男子。


「す、す、すみません」


あまりのことに、ビビってどもってしまったあたし。





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