無力な僕らの世界と終わり
「ひよは、友達もいっぱいいるんでしょう?」
「え!全然!」
「うそ」
「本当だよ。
あたし、いじめられてたこともあるし」
「……いじめ?」
「うん。中学の時。
その時にかばってくれた子が、今は親友。
あとは……時々、話しをするクラスメイトが何人かいるだけ」
「……そうなんだ」
友達がいないのは、本当。
あたしにはいつも、のんがいればいい。
のんがいてくれれば、それで。
のんには友達がいっぱいいる。
のんが学校を休んだら、あたしは一人でお弁当を食べるけど。
のんは一緒に食べてくれる人なんかたくさんいると思う。
けど、それでいい。
あたしはのんを独り占めできるとは思っていないし。
のんの他に、親友が欲しいとも思わない。
「……羨ましい」
「え?」
「親友なんて、羨ましいな」
「……」
「私には、瑠樹亜しかいないから」