無力な僕らの世界と終わり

そんなこんなで





そんなこんなで、新学期を迎えた。




「夏休み、ひよ、頻繁に瑠樹亜と会ってたらしいじゃん」


「え」


久しぶりに放課後のんとマック。

ナゲットを頬張るのんは、少し日に焼けたみたい。
そうえば夏休みは、向井と海に行くって言ってたっけ。


新学期が始まるとすぐに、うちの学校は課題テストがある。
今日、向井は向井で、男友達と図書館で勉強の約束をしているらしい。

向井が勉強。
何だか笑える。
なんて。
今、そんな話をしたばかり。



「いろんな人から目撃情報聞いてるよ。
美山さんも一緒だったって」


「……ああ」


瑠樹亜の話題になると、一気に心がもやもやする。
そして必然的に美山さんの話にもなる。



「仲いいんだ? 最近」


のんに他意はない。
探りを入れるわけでもなく、あっけらかんとそんなことを聞いてくる。


「……ていうか」


あたしは瑠樹亜に使われているだけ。

可愛そうな美山さんを庇ってほしいって。
友達がいない彼女と仲良くしてあげてほしいって。

そんな意地悪なことを言ってしまいたい気持ちが、むくむくと大きくなってくる。





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