無力な僕らの世界と終わり
「ねえ、ひよ。
知らなかったことを恥じないで。
それは仕方のないことだもん。
それよりも。
これからの瑠樹亜の、力になってあげて」
美山さんの強い声が、あたしを励ましてくれる。
涙を拭うと、こちらを見詰める強い視線があった。
「……う……」
溢れてくる涙を指で抑えながら、精一杯の返事をする。
あたしができることなら。
なんだってしてあげたいって、思う。
瑠樹亜のためなら。
あたしは鬼にだって悪魔にだってなれる気がするんだ。
「瑠樹亜は、お父さんのことも、凪さんのことも恨んでる。
だけど、一番恨んでるのは……
凪さんの言いなりになるしかない、自分自身なんだ」
『世界を終わらせる』
その決意の中にあるのは。
自分自身への嫌悪感。
何もかもなくなってしまえばいい。
壊れてしまえばいい。
そんな風に思うのは。
自分自身に絶望しているから。